著者：市川　衛（ＮＨＫ番組制作ディレクター）（発行：主婦と生活社）

　現在、ボランティアで交通事故により脳障害を負った友人に施術をしている。最初は整体蘇生術で神経に刺激を与え筋肉の弛緩等を目的に施術し、一応の改善は見られたものの、どうしても精神的レベルなのか脳機能障害なのか力みを改善できなかった。

そんな中、気導術との出会いで、気のエネルギー注入と呼吸不足で不完全ながらストレス遮断を行うことで力みが減り改善方向に向いてはいる。が、どうしても満足いく結果まで程遠く感じている。

確かにこの作業は時間の掛かると覚悟はしているが、私の性格上、早期改善、さらなる向上を目指しているところで、表題の本と出合った。私自身は、本を読むのが遅く、集中力がなくなるので読書は好きでは無いが、この本のように可能性のある本は良い。

１日で読めた。と言うことで、今後の友人の施術で参考になった。

本書の内容からかいつまんで紹介すると、

・＿マヒした手を本人が使えるように工夫。料理も材料を大きくカットして取り易く工夫。
・＿介護する人たちが、専門家のアドバイスを受けながら、努力する本人を励まし支え続ける。

・＿本人が上手く話せない状態が続いているのは、話す機会が少ないから。

・＿指を動かす筋肉は、外部からの力によって引き延ばされると、反射的に元の長さに戻ろうとする。伸張反射 指を押す事により、指を伸ばすための筋肉が引張られる。この瞬間、伸張反射が起こって筋肉は縮もうとするため、自然に指は伸ばし易い状態になっている。

・＿反射などを利用して患者さんがラクに身体を動かせるようにする方法を促通法と呼ばれる。
・＿できるようになるためには、「できた」という経験を何度もつまなければならない。

・＿いくつかのポイントを押えてほめると、効果は最大限に発揮される。「ほめる」と脳に対してよい影響を与える。
・＿脳には「報酬系」と呼ばれるシステムがあり、これを利用すると「やる気」が出る。

・＿何らかの欲求が満たされたときに活発化し、その固体に、“気持良い”感覚を与えること。
・＿いちど加齢性の変化が起きた人の脳が、脳卒中によるダメージを受けると、睡眠から効果を得られるようになることがわかった。

・＿廃用症候群：使わないことによって人間の体が衰えていく。

・＿脳卒中の後の指曲がりは、伸ばす筋肉はまだ使えないため、自然と曲げる筋肉だけが酷使されるようになってしまう。そのうち、曲げる筋肉がどんどん緊張するようになり、リラックスすることができなくなり固定される。

＜川平法＞

・＿“がんばらない”リハビリでマヒは改善する。
・＿脳をラクにすることが肝心。
・＿指を動かすという動作を、本人でなく、スタッフが各指で１００回。

・＿神経の可塑性：ある働きの神経細胞のネットワークが壊れても、別の働きの神経細胞のネットワークが組み替わり、その働きをするように変化する。しかも、いちど変化が起きてしまえば、そのまま維持されると言う訳だ。

ただし、東洋整体蘇生術では、数十年前から、この可塑性を利用してすでに脳卒中などの整体治療に応用されている。しかし、倒れてから時間が経つと、回復は難しくなるので、早めの施術がポイントとなる。

　まだまだあるのですが、これ以上は書き過ぎになるので、興味のある方、リハビリで苦労されている方は、本を購入されて一読下さい。整体をされている方も、リハビリの良いヒントになり、新しいアイデアがうまれると思います。

平成２３年９月２２日

［佐藤整体蘇生術院の治療情報のリストに戻る］

お店の詳しい情報　 　ココをクリック！