―スピリチュアル健康学への道―

奥　建夫著（発行：エンタプライズ、発売：産学社）

本のテーマは、意識・光・健康そして愛。

・　この本を読んでいて、「意識」について多くのことを考えさせられた。光に時間の概念がないのもそうかと思わされたが、この意識と言うものが深い心の中の宇宙と表現されているもので考えると、確かに他人とのつながりを感じる。

しかし私はヒーラーでもカウンセラーでもないので単なる思い過ごしかも知れない。そして、非局在情報なるものが宇宙に存在し我々の意識、生命エネルギーを包括し記憶していると言う。これらの実感できない感覚がスピリチュアルな世界なのかと思う。

・　私は日頃の治療で患者さんの生活環境における体の固さ、体質によるなかなか緩まない体に接しているが、これは精神的な問題も含んでおり、体を弛めると同時に心も緩めなければ本来の回復に繋がらないと考え、その方法を探っている。

私は患者さんの潜在意識の中に潜む体に緊張を与える要素を、蘇生術とカウンセリングでなんとか短期間に緩める事ができないかを考える中でのヒントを得るためにこの本を読んでみた。

特に最近ＴＶでも話題になっているスピリチュアルな部分にも興味を持ったからである。

意識の抱えるエネルギーを把握する必要もありそうだが意識が改善されることを主に考えれば良いのかも知れない。精神的な面を考えるよりも、スピリチュアルな世界から患者の意識を変える事で早く体が緩んできそうだ。

・　今、外で子供が元気な声を出して遊んでいるが、その辺りに居る人や単にその声を聞いている人は元気な子供と思う人もいればうるさいガキだと思う人もいるだろう。その時点で面識のない人々が一方通行であれ意識のなかで繋がっているのである。

また、歴史の本を読んでも、過去のニュースを見てもかなり遠くの場所でも過去の人々と一方通行で意識の中で繋がるのかも知れない。そうすると、スピリチュアルな世界が時間と場所に拘らない（距離と時間のない空間）と言うのが漠然と分かったような気になってくる。

この時、過去の人物は未来の我々の存在を意識できないことが、今の我々と同じ意識レベルだからであろう。思い過ごしのような一方通行である。その壁を越えられるのがヒーラーになるのであろう。

・　相対性理論では、光自体は止まっていても、その周りには永遠の時間が流れていると言う。今ここＡ地点で１０万光年先B地点の光を見ると過去の情報を見ていることになるが、スピリチュアルな世界で距離が関係ないとすると

同じ時間にＡ地点からＢ地点の今の光を見るとそれは未来を見ていることになる。従ってこの距離感と時間感を心の奥深くで無くす事によって未来とか過去が見えてくるのかも知れない。なんて考えてしまった。

・　スピリチュアル・ヒーリングとは意識を変える事であって、これが健康に重要と言うことは同感である。うつ病の治療をしていても改善に向かっている患者さんと話していて確実に意識が変化していて体も軟らかくなってくるのが分かる。

一般的に病は気からと言われていて、健康な人は、健康に対する意識の持ち方、心が違う。意識が変われば体も自ずと変わって来る場合も多いのは実感している。

・　この本の著者は物理学者であるのでエネルギーについて言及しているが、この本を読んでいて情念と言うものが死後に残るとするとそれもエネルギーを持っていることになるから、物質が滅びたとしても何らかのエネルギーが残っていると言うこと？

たとえば成仏して魂が安らかになってさまよわなくなったと言う事はエネルギーと関係ある？生まれたときに与えられる生命エネルギーもしくは意識情報（局在情報）がその人の運命にも値する？などの興味深い思いも浮かんでくる。

・　スピリチュアリティーとは忙しい心ではなく、もっと繊細な、深い深いレベルの心、意識の深いレベルのことを言っているが、忙しい現代人、他人を思いやる気持ちが薄れ、個人主義が多くなった現代人にスピリチュアルを感じる時間や心が持てるのだろうか。

・　スピリチュアル・ヒーリングでは、シンクロシティ同調が重要で、質の高い多量の情報・エネルギーにアクセスできることがヒーラーの条件となるとある。いま流行にもなっているヒーラーの方々が本当の意味で人格が高い人かどうか疑わしい。

なぜなら人格と言うのは形成するものであって、才能とかではないと思うからだ。従って本物のヒーラーになるためには修行なるものが必要なのだろう。自分もできるのではなんて甘い考えの人はヒーラーになってみようと考えない方がよい。まやかしはいけない。

・　人は物質で生まれ、そこに生命エネルギーと意識が授けられるらしいが、これらを包括している非局在意識として正しい意識が記録されていると考える事で、

現世での生活環境や習慣で狂い出した意識をスピリチュアルな世界で非局在意識にコンタクトすることにより正しく修正されて戻されるので、スピリチュアル・ヒーリングでは意識の変化が瞬時に起こると考えられることで私の理解は正しだろうか。

・　本書では、人間のエネルギーを考えると、体を司る物質エネルギーと光の波動エネルギーを足したものだと定義している。光の波動エネルギーは生命エネルギーと意識で、これらは光の波動と似た性質を持つと考えられている。

人間の生命現象に光凍結が関係していると考える。体も全身で波動がそろった、一種の量子凝縮体と考えられないか？ある光（波動）が体の原子に凍結し、全身を調和させ、とりまとめているのかも知れない。

光の集合体が心の正体という説もあり、光の最も重要な保存場所がＤＮＡと言う報告もある。これより光と言うのは人間の生命エネルギーや心・意識に大きく関わっているかもしれない。と述べているが光と生命エネルギーと意識の関係を理解するのは難しい。

・　脳が意識の検出器と言うことであるが、考えてみると脳は感情、感覚、および運動も司っており色々な情報が入ってきたものを整理するところでもあり、

確かに意識だけを捉えると限定的になるのかも知れない。したがって、意識に集中するためには、静かな場所でリラックスした状態が必要になるのだろう。

・　意識により脳波が発生してホルモンなど微量伝達物質の合成が行われ、結果としてＤＮＡから身体全体の健康に影響が及ぶ。とあるが、つまりは自律神経にも影響が出て自分の意志ではコントロールできないところで体に歪みを生じさせ健康を維持できない状況に陥る。

やはり意識が体に与える影響は大きいことが言える。しかしながら、体に与える影響としては、高電圧電線の傍や携帯電話などの電磁波や電波も、脳波を乱したり、自律神経がアンテナとなって吸収している可能性があるのでこの影響がどう意識に影響を与えるかも興味深い。

・　しかし、こうやって感想を書いてみると感覚的には分かるような気がするが、なかなか理論的には難しいものがあって、もっと理解するには読み込む必要がある。

・　最後に本の内容から、健康のためには適正な食事・運動、微笑みを維持すること。心の奥底から湧いてくる微笑は、体にエネルギーを与えてくれます。幸福になれば病は消えていきます。は私も同感。 そして、私のモットーである健康と笑顔！いつも心に太陽を！

平成１９年６月１６日

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